18世紀のヴィオラ・ダ・ガンバ(その2)
ボストン美術館所蔵の様々なサイズのヴィオラ・ダ・ガンバ(By Pacamah - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=141993216)
しかし、実際にはそうでもない(少なくとも私にとっては)のでした。
まず、楽器が大きいこと。小さめの楽器でもバスくらいの大きさの楽器を脚に挟み、弦を押さえるのはちょっとしんどいものがあります。ハードケースに収納すると結構嵩張り、パッと見ると小学生低学年くらいの存在感があります。私はすでに多く楽器を所有しているので、さすがにこれほどの大きさの楽器を保管するのは避けたいというか、邪魔です。
次に、低音が響きすぎること。コンサートやセッションで接したときのバスの響きを思い返してみると結構デカく響きます。ソロはともかく、アンサンブルの伴奏や通奏低音では、このよく響く低音は難物です。注意して弾かないと他の声部を塗りつぶしてしまい邪魔になります。この低音をコントロールする自信は私にはなく、うまく処理できるほど通奏低音の能力もありません。それに我が家は木造アパートですから、いくら楽器の演奏が許可されているにしても、これは苦情になるでしょう。なにより、同居猫を驚かせたくありませんし...
レパートリーは7弦に次いで豊富にありますが、その多くは簡単に弾けるものではなありません。よく知られたアーベルの無伴奏曲を見るまでもないでしょう。イングリッシュギターのように簡単に弾けて楽しいレパートリーがあるのとは対照的です。私は特定の曲を弾くことに興味はないので、簡単に楽しく弾ける曲があることは大変に重要です。その楽器を弾くということが楽しめれば、(曲として残っている)レパートリーが多かろうと少なかろうとどうでも良い。ですので、バス・ヴィオラ・ダ・ガンバのレパートリーが豊富であるというメリットは、私にとってあまり恩恵がないのですね。
そういうことを踏まえて改めて考えた結果、バスではなくテノールのヴィオラ・ダ・ガンバを探すことにしました。楽器は小さく、場所もバスほど取らない、扱いに難しい強い低音もない。しかも、18世紀のイギリスにおいてヒンツが、アルト(!)やバスと共にテノールを製作し販売していたので、18世紀のイギリスとも関係があります。もっとも、モラヴィア兄弟団の典礼音楽に使われていたらしいこと以外は、いったいどのような音楽を弾いていたのかはよく分かっていません。セッションや簡単なチューンを弾くのが目的なので、あまり問題はないでしょう。
ちなみに、ヒンツのアルトやテノールのヴィオラ・ダ・ガンバはPeter Holman著の『Life After Death: The Viola da Gamba in Britain from Purcell to Dolmetsch』によると、今日のハーフサイズや3/4サイズのチェロのように、子供・若い女の子向けに作られた可能性があるようです。私のようにバスがサイズ的に大き過ぎると感じる人にはピッタリですね。

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